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迷走生活

未来を迎えた世界と未来のままの世界とその未来。

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の太陽光圧による加速が確認された。

IKAROS、太陽光圧による加速を確認!

「IKAROS」は今年5月に種子島からH-IIAロケット7号機によって金星探査機「あかつき」と共に打ち上げられた工学実証機で、太陽光を推進力として航行する実験を行う実験機体である。太陽光圧を推進力にするという発想はかなり昔からあり、小惑星探査機はやぶさも、気象衛星ひまわりも姿勢制御に利用した実績はあるが、ヨットのように帆を張り、太陽光圧を主推進力にしたのはIKAROSが初めてである。

IKAROSの翼となるのは厚さ7.5μmのポリイミド樹脂の膜で、機体の回転による遠心力で一辺14mの正方形の帆を展開する。展開後も秒針程度の回転を続けることで張力を維持し、膜面に太陽光の圧力を受けて航行する。

太陽光圧で得られる推力は1mN、地上で0.1gの物体にかかる程度の僅かなものだが、はやぶさに搭載されたイオンエンジン一機の推力もこの十倍程度なので、宇宙を航行するのに充分な推力を燃料を使わず得ることが出来るようになったということ。これは搭載する燃料が打ち上げるロケットの能力に制限される宇宙機にとって全くの新境地である。また、帆に張り合わされた太陽電池から電力も供給出来るので、将来的にはイオンエンジンのような電気推進と組み合わせた航法が計画されている。

イオンエンジンにソーラーセイルとか、子供の頃に見た図鑑の巻末にあるような未来図の世界である。未来図というのは「理屈は合ってるが現実的ではない」から成り立つもので、それが小惑星に行って帰ってきたり金星に向かって航行中とか、リアルに未来の感触を味わっているのだと思うと非常に感慨が深い。TV電話のような家電だと、子供心にも「いつかはともかくあるだろうな」とは思うが、宇宙開発の場合は自分の理解の遠く及ばない世界での進化なので、実現への驚きは比較にならない。

自分が古びたのもあるだろうが、未来とは相対関係なのだから単純に自分の見た未来に立ち会えたことを喜びたい。2010年の6月というのは私にとって未来に触れることの出来た時間だった。


一方で、未だ未来のままのものもある。
かつての図鑑ではごく手近な未来のように書かれていながら、未だ実現に目処が立っていないのが「選ばれなくとも宇宙に行ける時代」である。深宇宙の探査より乗り物を地球の重力から安全に脱出させる方がはるかに難しいのは解るが、子供の頃の自分に報告するには少し残念な現状である。まさかこの歳になってもソユーズが宇宙に出る最もポピュラーな手段であるとは逆に想像できなかった。

ロケットによる宇宙へのアプローチは技術的な進歩はあっても大局としては静止に等しく、出来るのは限られた宇宙船のシートを金の力で借りるぐらいだが、それこそ現実から遠く離れたフィクションの世界である。伏兵としてSFの世界で長く親しまれていた軌道エレベーターも実用に耐えうる素材の開発から「実現可能」という所まで昇格したが、着工に至るまでのモチベーションが今の宇宙をとりまく世の中にあるのか怪しい。


ともかく、子供の頃に見ていた宇宙未来はこういう形になっていた。多少マニアックではあるものの充分に楽しい。今航海中の宇宙帆船見習いはいちいち「寝るー」とかリアルタイムでつぶやいてくれるし、子供の頃に飛び立った宇宙船は今や太陽系を出ようとしている。「自分が行く」という点さえ除けばお釣りが出るぐらい回収はできているだろう。

ふと、今の子供が手にする宇宙図鑑には何が未来として描かれてるのだろう、と気になった。が、それは子供の頃に見た未来を迎えた自分たちが、どのように新しい想像を与えてやれるかということでもある。

楽しんだのなら還元しないといけない、なら今から50年後に何を想像しよう。

コメント

 いつの間にかこちらが復活してた(笑)

 鉄ネタも宜しくね(^^)V

 太陽光圧とか、空想ネタみたいな物が現実になってきてますね。

 タイムマシンやらワープも可能に??

2010年7月15日(木) 20:41:TOYO@シンノスケ

>TOYO@シンノスケさま
僻地へようこそ、
随分触ってないので誰も気付かないだろうと思っていたのですが
簡単に見つかってますね。
ちょうど科学というのが身近に、手に触れられるようになってきた世代の人間として、いま、ものすごく面白いんですね。当時地平線に見えていたものがそこらじゅうに転がってるのですから。

2010年7月19日(月) 23:50:迷走旅社

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